【保育士の仕事】新年度に向けて

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3月末から新年度は1年で最も忙しい時期と言えますが、3月までの忙しさと4月からの忙しさは異なります。3月末は1年間の締めくくりと新年度の準備を並行して行わなければならず、とにかく仕事量が多い時期です。一方、4月は仕事量の多さに加え、子ども達も保育士も新しい環境に戸惑い、慣れるまで大変な日々が続くのです。初めて園生活を送る新入園児は、登園時に涙を流す子どもが多くいますが、進級児の中にもつられて泣いたり不安定になったりする子もいます。そして、前年度の処理や新年度準備も、3月中にすべて終わっていなければ、日々の業務に加えて引き続き取り組んでいかなくてはなりません。
 

子どもへの配慮

新入園児はもちろんですが、在園児も新年度を迎えると保育室や靴箱が変わったり、担任が変わったりすることで今までとは違う環境になり、戸惑います。不安定になる子もいるでしょう。子ども達の気持ちを受け止め、最大限の配慮をすることが新年度における保育士の最も重要な役割です。

 

 

新入園児への配慮

4月に入園し、初めて園生活を送る新入園児は、保護者から離れて過ごすこと自体が全く初めてという子がほとんどでしょう。新入園児には、一定期間“慣らし保育”を行い、最初は短時間保育から徐々に時間を伸ばしていくという園が多くあります。しかし、保護者の仕事の都合で慣らし保育を行わず、初日から長時間の保育という子や、延長保育という子もいるでしょう。

新年度は朝登園して保護者と離れるときは不安や寂しさで涙が出る子が大勢います。保護者と離れるときに泣いても、保護者の姿が見えなくなるとあっけらかんと泣き止んで遊び始める子もいれば、最初の数日は全く平気だったのに、数日後泣き始めてその後なかなか慣れることができないといった事もあります。クラスで何人も泣いてしまう状態になることもあって、一人ひとりの気持ちに寄り添うことが難しいこともありますが、まずは一人ひとりの子ども達の不安な気持ちをやわらげ、安心して園生活が過ごせるようにすることが大切です。

クラスをまとめる保育士、泣いている子に寄り添う保育士など役割を分担し、新入園児が1日も早く園生活に慣れるよう配慮しましょう。

在園児への配慮

園生活に慣れている在園児は、進級した新しいクラスに喜び、張り切って登園してくる子がほとんどでしょう。しかし、中には新しい担任や保育室に馴染めなかったり、泣いている新入園児につられたりして不安定になる子や涙が出る子もいます。新入園児と同じように不安定になっている子の気持ちにも寄り添い、新生活に自然と慣れていけるよう関わりましょう。

また、不安そうな様子が見られない子も、内心は不安を抱えていたり、数日経ってから不安を感じたりする子もいます。クラス全体に目を配り、一人ひとりの様子に注意を払うことが大切です。

 

 

保護者への配慮

新年度を迎えると、不安を感じている保護者もたくさんいます。新入園児の保護者、特に我が子を初めて預ける保護者はわからないことが多くありますが、そのうえ園に送ったときに泣かれると後ろ髪を引かれて朝から辛い思いになるのは当然です。育休明け等で久しぶりに仕事に復帰したり、初めての仕事に就いたりした保護者も多くいるため、時間的にも気持ち的にもいっぱいになってしまい、不安定になりやすいでしょう。

在園児の保護者も、我が子が不安定になっていたり、新しい担任がよく知らない保育士だったりすると、不安に思うことも多くあります。

登園時、保護者との別れ際に泣いていても、親の顔が見えなくなれば気持ちを切り替えて遊び始められる子もいます。もしずっと泣いていたとしても、「昨日より泣いている時間が短くなりました」「時折泣き止んで、お友だちの様子を興味深そうに見ていましたよ」など、少しでも保護者が安心できるような内容や伝え方を配慮することが大切です。

 

 

まとめ

新年度が始まる4月は、保育士にとって、1年の中で最も忙しく大変な月と言えます。ですので早い時期から準備しておくことで自分自身にも余裕がうまれます。園児や職員の安全を第一に考え、一つひとつのことに焦らずじっくりと取り組み、園全体で協力し合って新年度を乗り切りましょう。

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